初日の出を君と

 「ロニー 初日の出見にいこっか」

 そんなエルマーの言葉に誘われ 今俺とエルマーは見晴らしのいい峠にきている
 前方には東の海があり まさしく絶好のご来光スポットと云ったところか
 しかしそれにしても俺達以外に人がいない
 エルマーが此処へ案内してくれるまではこんなところがあるとは俺も知らなかったから所謂隠れスポットということなのだろうか
 などと考えていると いつの間にかエルマーが俺の顔を覗き込んでいた
 「なんだ?俺の顔に何かついているのか?」
 「いいや?何考えるのかなーと想って」
 「ふむ……別にたいしたことは考えていなかったんだがな」
 「ふーん じゃあさ 俺のこと考えててよ」
 「……」
 その言葉に沈黙を落とす
 エルマーもそれに少しだけ付き合って 口を開いた
 「俺の気持ちはロニーの生徒だったときから伝えてあった筈だけど?でも『教師と生徒だから』なんて誤魔化されたくなかったからずっと返事は聞かなかった 卒業してからはロニーの方から催促されて仕方なくなんていうのじゃなくて自発的に聞かせて欲しかったから俺からは何も云わなかった でも結局今までロニーからは何もなかった 良いも駄目も何も だから今日 初日の出を見に行くって名目で返事を聞きに来た 駄目なら駄目でいい 返事が聞きたい」
 「……」
 エルマーにそこまで云われても まだ俺は沈黙を守ったままだった
 あと数分もすれば夜が明ける
 今は黒に染められて空との境界線をなくした海が 光り輝く色を宿すのだろう
 俺は海を見つめたまま エルマーは俺を見つめたまま 互いに沈黙を保っていた

 「……初日の出だな ロニー」
 そうして暗闇の世界で永遠にも想えた長い数分が過ぎ 海の端に光の色が宿る頃
 たわいもない言葉だった 返事をする必要性すら感じさせない程に
 だからエルマーの言葉には返事をせず 俺が想っていることを口にすることにした
 「……俺はお前が生徒だったときから ずっと お前のことしか考えられなくなっていたがな」
 たわいないことを考えていた俺に「自分のことを考えてて」と云ったエルマー
 それに対する返事だった
 そして同時に俺がずっと云うまいと想っていた気持ちを表わした言葉でもあった
 エルマーの目が驚きに見開かれる
 「ロニー……それは 」
 「意味は自分で考えればいい 良い方にとるか 悪い方にとるか お前の勝手だ」
 「自惚れても いいってことだよね?」
 「……勝手にしろ」
 「うん じゃあ勝手にする」
 云うが早いか 俺の唇にエルマーのそれが重ねられていた
 一瞬触れただけの接吻(くちづけ)は しかし確実に俺の唇に自分のものではない温もりを残していった
 エルマーは満面の笑みを浮かべ大きく腕を広げると 完全にその姿を現した丸い太陽に身体を対面させ 大きな声で俺に云う
 「笑おう!ロニー 初日の出を見ながら両想いになるだなんて こんな幸せな話はないだろう?だから笑おう!ほら そんないつもみたいに面白みのない顔してないで」
 顔だけ俺を振り返り笑顔を要求するエルマーに苦笑する
 「もっと満面の笑顔になろうよ ロニー あんた笑うの下手くそなんだな」
 「大きなお世話だ……まぁいい」
 エルマーに向けて 満面の笑みではなく微笑みの形をつくってみせる
 意識してつくった笑顔はやはりどこかぎこちないのか エルマーに「やっぱり下手くそだ」と笑われた
 「でもそんなとこも好きなんだけどな」
 そう云って重ねられた唇は 今度は一瞬で離れはしなかった

 唇に宿った温もりに 自然と顔が綻んだ

 エルロニ…自分ではきっと絶対に想いつかなかったであろうカプですね
 でも書けてよかったです うーんでも初めてが学パロ(しかも要素少なめ)って…
 まぁいいかな…(いいのか
 しかしエルマーらしさを出すのが大変でした
 ロニーさんは笑うのが下手だったら面白いなと想いました なんか不器用な笑い方しかできないの
 っていうかロニーさんの満面の笑みはホントに想像つかないなー
 精々微笑みクラスですか だってなんかニヒルな笑いとかしか想い浮かばない
 まぁいい(云い切った
 それでは あけましておめでとうございました
 今年も宜しくお願い致します