Greed of an instant

 あの人たちといつも根城にしている工場で 何故かあの人に兄貴分と慕われている人が一人で寝ていた

 「……どうしたんですか?ラッドさん」
 呼び掛けても反応はない
 微かにアルコールの臭いがするから おそらく昨日の夜にでも酔っ払ってここにきてそのまま眠り込んでしまったのだろう
 せっかくの上物のスーツがしわだらけになっていた
 「まったく……起きてくださいよ ラッドさん」
 そう云って肩の辺りをぽんぽんと叩けば「う〜……」と一つ唸って眉間に皺を寄せる
 起きる気配はない
 早々と起こすことを諦めて 俺は眠っているラッドの旦那の向かいに腰を落とした
 じっ と目の前で無防備な寝顔を晒す男の顔を見つめる
 先程俺が起こそうとしたときに刻まれた眉間の皺はもうすっかり消えていて 無邪気な子供のような寝顔は歳よりも一つ二つ程若く見えた
 ――これが『あの』殺人鬼のする顔なのか
 あの人と同じく子供のようなところがあるのは知っていたが それをこんな形でこの目に映すことになるとは想ってもいなかった
 あの時 アルカトラズの中で見ていたあの殺人鬼と今俺の目の前でこうして無防備に寝顔を晒している男が同一人物だなんて
 まったく……これだから『人間』の観察は止められない
 『人間』に興味をひかれることを止められない
 俺のような存在でなくとも 誰しも多面性をもっている
 あの人も この男も
 ならば 俺が更なる多面性をもってしてラッドの旦那に『興味』をもつこともきっと赦されるだろう
 ――誰にだなんて そんなことはしらないが
 でもまぁきっと 何もなければすぐに薄れてしまうような その程度の興味だろうとは想う
 俺の身体はあまりに多い
 その端末で一々興味をもったことに関心を抱き続けていたのではそれはあまりにも大変すぎる
 だからそのときそのときで一過性の興味を持ってその対象を観察できればそれでいい
 だからこの少しばかり特殊な興味も一過性のもので そしてそれでいいと想う
 だけれども それが過ぎ去ってしまうまでは――
 少し腰を浮かせ ラッドの旦那の顔を覗き込む
 よく眠っている まだ起きる気配はない
 それを確認すると そのまま顔をすれすれのところまで近づけていき
 そっと 唇を重ねた
 ――過ぎ去ってしまうそのときまでは 愉しませてもらいますよ ラッドさん
 
 「あんまり無防備にしていたら喰われてしまいますよ この欲望に」
 気付けば無意識にこの個体には似つかわしくない歪んだ笑みを浮かべていた
 そっと口元を手で押さえながら あの人にばれたらきっと俺はあの人に殺される初めての『人間』になるな なんて気付けば想っている自分がいた

 選択式御題様より
 これは…注意文必要ですかね?
 裏とかそんなんではなく カップリング的にありえない!って人多そうだから…
 っていうか俺だってこんなの想いついた時には「ありえねー!」って想っちゃったよ
 だってシャムラドとか云ってるけど身体シャフトじゃん!
 ぼかしてるけどぼかしきれてないよね!?これ!
 はわわ〜 世間様に逆行するのもたいがいにせぇという話ですね
 スミマセン 自重…出来そうにないです(ォイ!
 きっとこの先もありえないマイナーカプ目白押しになることでしょう
 …厭すぎるよ!そんなサイト!
 でも俺は愉しいからいいんだ!(どーよそれ
 って 後書きでなくなってきたな
 自重自重