澱む光 歪む愛情
久しぶりにラックの家に泊まりに行った夜
何か買い忘れたといって外に出て行った末弟の後を追うように激しい雨が降り出した
傘は持っていっていない筈だったが 迎えに行こうにも何処に行ったのか分からないのでは擦れ違いになって終わりになってしまう可能性の方が高く
俺は仕方なく濡れ鼠になって帰ってくるだろう弟の為に 風呂の用意と部屋を温かくして帰りを待っていた
それから三十分ほどしてラックが帰ってきた
タオルを持って出迎えてやれば案の定上から下までずぶ濡れだった
「ただいまキー兄 あぁお風呂とか用意しててくれたんだ ありがとう」
少し俯き加減にそう云うラックを少し疑問に思いながら 濡れた頭をタオルで拭いてやる
「ちょっとキー兄 僕もう子供じゃないんだからそんなことしてもらわなくたって大丈夫だよ」
少し慌てたように俺からタオルを奪いコートを脱ぐラック
脱いだコートを受け取ってコート掛けに掛けようとしていると 突然後ろから抱きつかれた
雨に濡れたままの冷たい身体は少し震えていて こちらまで寒くなる
「ねぇキー兄 一緒にお風呂入ろっか」
いきなりそんなことを云われて少し目を丸くしてラックを振り返る
ラックは顔を俺の背中に押し付けたまま 俺の腹に回した手を少し強くして言葉を続ける
「いいじゃない 子供の頃はよく一緒に入ってたんだし」
ついさっき子供扱いするなと云ったばかりの口でよくそんなことを云う
少し呆れて息を吐けば 怯えるようにラックの身体が一度 大きく震えた
叱られるのを怖がる子供のような態度に 俺は渋々口を開く
「……いいぞ」
結局俺はこの末弟に甘いのだ わけのわからない我が儘を云われても それを許容してしまう
そこにどんな意図があるのかも知らぬまま
脱衣所は大の男二人が同時に入れるほどの広さはなく 俺は濡れたラックを先に脱衣所に入らせる
風邪でもひかれては困るし 何より心配だ
そうしてラックが風呂場に入ったのを確認すると俺も脱衣所に入る
と 急に風呂場からラックの腕が伸びてきて 服を着たままの俺を風呂場に引きずり込んだ
既にシャワーからはお湯が出ていて 俺は服ごとずぶ濡れになる
何をするんだと睨もうとして 出来なかった
ラックの目が 暗く澱んだ光を灯して笑っている
その表情にぞくりと背中を一回震わせて 俺は困惑した
「ねぇキー兄 寒いんだ すごくすごく だから ねぇ」
あたためて そう囁くラックにまた身震いして目を閉じる
そっと唇が唇で覆われ 俺はそれを許容するように口を開けた
開いた隙間から差し込まれるラックの舌がおずおずと俺の舌に絡んでくる
それをされるがまま 特に何の抵抗もせずにいればラックの手が俺のシャツのボタンを外しにかかる
ぷちぷちと一つずつボタンを外していくラックの手を止めようと掴めば 唇が離され首筋を甘噛みされる
どくどくと脈打つ頚動脈の上に柔々と歯を立てられ 喉仏を大きく舐め上げられる
温かいシャワーで体温なら上がっている筈なのに 何故か身体が震える
ラックの手を掴んでいた手を離し 俺は後ろに手をつき身体を支える
自由になったラックの手がまた一つ一つボタンを外す作業を開始する
そうして全てボタンを外されて開かれたシャツの隙間からラックの手が滑り込んでくる
脇腹を直接撫でられる感触にびくりと身体を震わせれば ラックの唇が首筋から下りていく
肩や鎖骨を甘噛みされ吸い上げられ きっともう歯形と鬱血痕とで肌は朱に埋め尽くされているだろう
脇腹を弄っていたラックの手がズボンのベルトにかかる
ぎくりと身を震わせて 今度こそラックを制止しようとベルトを外す手に手をかける
「キー兄」
いいでしょう? 真直ぐに澱んだ瞳で俺を見つめながら唇の動きだけでそう訊いてくる
否定の言葉を一切合財排除する力強さを含んだ目の光に 俺は手を引く
「キー兄 愛してる」
ラックの囁きが俺の脳みそを揺さぶる
どうしてそんなに悲しげな声音で俺に愛を告げるのか
いつからお前の中に兄弟以上の愛という感情が芽生えていたのか
混乱する 困惑する 戸惑ってもうどうしようもなくなる
自分の中にある愛が兄弟に対するもの以上ではないことだけはわかるのに ラックのそれ以上を拒むことが出来ない
ラックの手が澱みなくベルトを外し ズボンのボタンを外しジッパーを下げる
そのままズボンを脱がされ 下着にも手をかけられる
これ以上を許すわけにはいかない 大体にしてここまでだって既に許容外だ
でも拒めない 兄としてならここで拒絶をするべきなのだ
だってどうしたってラックの弟してではない愛に応えられはしないのだから
「ラック……」
「キー兄 お願い……拒まないで 拒絶しないで」
泣きそうな声だと思った でも顔を見ても泣いてはいない
もう涙すら枯れ果てた末の暴走だとでもいうのだろうか
そうでなくとも そんなことを云われたら 俺は
拒めない 甘いのだやはり どんな我が儘でも許容してしまう
駄目だとわかっているのに
俺の目が許容を示したことを読み取ったのか ラックの手が俺の下着をずり下ろす
湯気に晒された性器がピクリと震える ラックの手がそれに直接触れてくる
掌に包み込まれた性器がゆるゆると刺激をされる
緩やかな動きとは相反して 確実に反応してしまうところを刺激してくるその手つきに段々と勃起していくのがわかる
「キー兄 気持ちいい?」
嬉しそうな声でそう訊いてくるラックに顔を顰める
俺の返事など端から期待していないのだろう ラックがまた俺の肌に唇を這わす
鎖骨から下 胸へとまた鬱血痕を撒き散らされ 更に乳首を甘噛みされる
他よりも刺激に弱いそこに歯を立てられ 滲んだ血を舐め取られる
まるで快感などなかったが それすら構わないのだろうか
ラックは必死になって俺の胸を舐め続ける
その間も性器を刺激し続ける手によって強制的に射精感を高められる
そうしてあと少しで達してしまいそうになったところで ラックの手がピタリと止まる
「キー兄 もう少し我慢しててね」
そう云ってラックが石鹸などを置いてある棚に手を伸ばし 何かを取り出す
軟膏の入っているチューブに見えるそれがなんなのか 今の状況から考えればすぐにわかることだ
潤滑剤
恐らく最初からこのつもりで用意していたものだろう もしかしたらさっき買い忘れたといって買いに行ったのがそれかもしれないが なんにせよ既に用意だけならばしてあったのだ
それを俺に使うつもりだったのかどうかはともかくとして まさか女相手に使うものでもないだろう
少しばかり血の気が引くのを感じ 俺は腰を後ろに引く
すると逃がさないと云わんばかりにラックが俺の腰を掴み引き寄せる
そのまま俺に抱きつくように俺の後ろに両腕を廻し なにやらごそごそとしているラックにいよいよ覚悟を決めなければならないのかと身体に力が入る
緊張からか性器が萎え始めていた
そんなことはお構いなしに ラックが俺から少し身を離し 俺の右の太腿を思い切り掴みぐいと上に上げる
大きく開いた足の間から手を差し込み 俺の尻穴に指を這わすラック
その指に先ほどの潤滑剤が付着しているのがわかり 思わず触れられている場所に力が籠もる
「キー兄 力を抜いてよ」
少し困ったように それでも拒絶は絶対に許さないという力の籠もった声でそう云われ 俺は出来るだけ力を抜く
「そうそう その調子」
まるで子供でも褒めるような軽い声音のラックに少し怒りが湧くが 侵入してきた指にその怒りも飛ばされてしまう
潤滑剤の所為で存外容易に侵入を果たした指が俺の中で蠢く
初めての感覚に俺は不安と恐怖でいっぱいになる
「キー兄 不安なの?怖いの?大丈夫だから 優しくするから できるだけ」
優しい声音であやすように云ってくるラックに でも安心なんて出来はしない
「キー兄 すき だいすきだよ」
そう云って口付けてくるラックに何故だか涙が溢れる
恐怖からでも不安からでもなく 涙が溢れて止まらない
「キー兄 なかないで ねぇ おねがいだから」
ちゅ ちゅと音を立ててバードキスを繰り返すラックを俺は抱きしめる
ラックは少し嬉しそうに笑って 俺の中に進入させた指を二本に増やした
異物感と圧迫感が増し 思わず力を入れそうになる
「キー兄 痛いよ」
でもラックの痛みを訴える声に また力を抜く
ラックの指が俺の中を何かを探すように蠢く
そうして暫くラックにされるがままになっていると いきなり今までとは違う感覚に襲われ身体が大きく跳ねる
「あった ここだね」
ラックが嬉々として俺の中の一点を集中して刺激し始める
「……ぅ」
「キー兄 漸く声出してくれたね」
思わず口から出てしまった呻くような声に それでもラックは嬉しそうな声を上げる
身体の中を弄られてこんな感覚になることがあるなんて知りもしなかった
急速に高まっていく射精感に 俺はラックに縋りつく
「キー兄 ごめん ちょっともう限界かも」
そう云ってラックが俺の中から指を引き抜く
代わりにあてがわれたのは 指とは質量も熱も段違いの ラックの性器
「ラック……!」
「痛いと思うけど ごめんね?力抜いてて ね?」
少し申し訳なさそうな顔をしてラックが俺に口付けた 瞬間
先ほどとは比べ物にならないほどの異物感と圧迫感に吐き気すらもよおす
それでも必死に力を抜こうとする俺の性器をラックの掌が包み込む
そのまま奥までゆっくりと貫かれていく痛みを 性器に与えられる快感が少しだけ和らげてくれる
漸くラックの全てが俺の中に収まる はぁはぁと荒い息を吐く口の中で血の味がする
ラックの顔を見れば唇から血が滲んでいた どうやら衝撃に思わず噛んでしまったらしい
俺はラックの唇に舌を這わし血を舐めとる
「キー兄 動いていい?動くよ?いいよね?」
俺の返事を待つこともなくラックが律動を開始する
内臓が引きずり出されるような感覚になんとも云えない怖気が身体を襲う
抱え上げられていた右足がより持ち上げられ 更に深く奥に突き込まれる
そうしているうちに ラックの性器が先ほど俺の射精感を高めたポイントを掠める
身体を大きく跳ねさせる俺にラックが薄く笑ってその場所を擦り付けるように動く
「そっか ここがいいんだったよね」
「ラッ ク ラック……!」
不快感だけだった行為から快感が湧き出てくるのを感じ 俺はラックに抱きつく腕に力を込める
ラックが俺自身を扱く手を早める
「キー兄 もうちょっと ホントに限界 だから」
一緒にいって そう囁かれ奥に一際大きく打ち付けられた後 温かい何かが中に広がっていく
ラックがいく瞬間 俺の尿道口に爪が立てられ俺もラックの掌に射精する
ずるりとラックの性器が引き抜かれ 中から生温かい粘液が溢れ俺の足を伝い落ちていく
そうして終わったと思った途端 俺の足から力が抜け 俺は床に座り込んでしまう
「キー兄……」
はぁはぁと互いに荒い息を吐く中 ラックが小さくゴメンと呟くのが聞こえた
「謝るな」
そう云った俺の額に ラックの唇が触れた
謝るならば 謝るくらいならば最初からしなければ良いのだ
でもそんなことすらわからなくなるほどに追い詰められていたのならば
この弟を責めることなど俺には出来ないと思った
名無し様のフリーリクエスト:ラクキスでエロいの です
いやー 暗い 良いのかなぁこんな暗くて
ところでこのキー兄…ほんっとにラックに甘いね
そしてラックさん ちょっと暴走しすぎかなぁ
いやでも追い詰められたらこれくらいは…
ちなみにキー兄が全然喘いでないのは仕様です
キー兄を喘がせるのは…自分にはまだ無理でした
そんなこんなでこれも例に漏れずお持ち帰り自由ですので もしもお持ち帰りされる場合にはサイト名・アドレスともに明記お願いしますね
まぁ いないでしょうけど